自費で伺っている患者様。
最初伺い始めたときは、圧迫骨折後1ヶ月半で、移動は四つん這いでトイレに行くのも時間がかかり大変。寝返りでも痛み、寝転んで足の曲げ伸ばしも痛みが出現。
何事も消極的に考えてしまう患者様でした。
90代なので施術も細心の注意をして全身を見ました。
2回目の訪問では笑顔が見られ、施術の前後でもペインスケール(痛みの度合い)も8から6に減少しました。
3回目の訪問では整形の受診後で、先生に折れたんだからすぐには治らないよと告げられショックを受けられていました。
病院に行く前には、伝え歩きで玄関を出られたのですが、帰って来る頃には落ち込み車椅子で帰宅。。
それからは週に一回の間隔で訪問を続けました。
施術内容は緊張している筋肉の緩和です。
手技や温灸器を使うのがメインで痛みの確認を施術中絶えず行い、少しでも不快な反応がないようにしました。
それでも日常生活で不安が重なったり、
今後の体がどうなっていくのか不安が起こり、痛みを訴えられたことが一度だけありました。
その時に、痛む箇所に毫鍼をしました。
最初は怖いと仰っていましたが、不安と痛みでわらをもすがる思いだったのでしょう。
受け入れられて、毫鍼すると、え?鍼したの?全然分からない!
と同時に痛かったところが痛くない。と啞然とされていました。
鍼は痛みを取るのに適しています。
最初から毫鍼をすれば良かったんじゃない?と思われる方もいると思います。
随分経ってから毫鍼したのは何故だと思いますか?
患者様に合わせたからなんです。
そして最後の手段に毫鍼をとっておいたのです。
骨折してから痛みが1ヶ月半以上続き、痛みが慢性化し、消極的な考えが染み付いた患者様に、怖いと思っている鍼をするのは僕はできないです。
しっかり関係性が築けて、今だなって思った時に、患者様にしっかり確認をとってから鍼をうちます。
もちろん嫌がっていたら、うたなかったでしょう。
1ヶ月経つ頃からは座って訪問を待たれ、
その翌週からは、次はいつ来てくれるんだろうと前向きな発言をされたと聞きました。
見る見るうちに動作は緩慢になり
3ヶ月経ったころには痛みはなくなっていました。
手押し車で歩くことが日常で、消極的な発言は一切なくなりました。これが何よりの最高の変化です!!
痛みや不安がなくなると、卒業です。
患者様は笑って1ヶ月に一回でいいやとメンテナンス感覚での訪問に切り替わりました。笑